筋トレ習慣で爪も一緒にケア
リスク
9.32倍

筋トレ習慣で爪も一緒にケア

週に2回以上、筋力トレーニングを行っていない人は、二枚爪になることが多くなりやすくなるリスクが9.32倍になります。

解説

二枚爪ってどんな症状?

爪が割れたり、二枚爪になったりすると、セーターなどの衣類をひっかけてしまうといった手のトラブルが増えてしまいますね。手や爪のトラブルを避けるためにできる対策はないのでしょうか。爪を健康にするヒントを探るために、爪のトラブルの原因について見ていきましょう。

二枚爪とは、爪の最も表側にある表層の部分である“爪甲”が、先端から薄く剥がれてくる状態をいいます。その原因には、爪の水分量の低下による乾燥や、爪先をめくるような力が加わったことなどが考えられています。爪の水分量を保持するためには、爪の乾燥を避け、除光液の使い過ぎや長時間の水仕事を避けることが大切です。

そして、爪とトラブルの原因として見過ごせないのが、かたよった食事からくる鉄欠乏性貧血です。爪の状態は、外側と内側の両方からケアしていく必要があるのです。

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筋トレと二枚爪の意外なつながり

水分不足からくる爪の乾燥は、ネイルオイルやハンドクリームをこまめに塗ることで対処することができるでしょう。しかし、内側からの爪のケアは、どのように行えばよいのでしょうか。実は、筋力トレーニング(筋トレ)に爪を健康にするヒントがあります。

筋トレを行う人の多くは、「筋力を高めてスポーツの成績を良くしたい」「筋肉を肥大させてスタイルを良くしたい」といったように、特定の筋肉を成長させることを目的として筋トレを行なっています。そして筋トレを頑張っている人は、効率よく筋肉をつけるために、筋肉の材料となるたんぱく質を中心とする食事をとることを心がけています。たんぱく質を多く含む食品はさまざまありますが、肉類はその代表といえるでしょう。

たんぱく質は筋肉の材料でもありますが、健康な爪や髪、皮膚を作る材料でもあります。筋トレでたんぱく質をしっかり摂取することは、トラブルのない爪を作るのにもつながるというわけですね。

また、肉類にはたんぱく質だけでなく“ヘム鉄”という鉄分が多く含まれています。ヘム鉄の身体への吸収率は10〜30パーセントであり、ホウレンソウや乾燥ひじきなど植物に多く含まれる鉄分よりも非常に高いのです。吸収率の高いヘム鉄を積極的に摂取することは、鉄欠乏性貧血の改善につながります。筋トレの一環で摂取した肉類の、たんぱく質とヘム鉄というダブルの成分が爪の健康をサポートする可能性があるのですね。

筋トレそのものが直接的に爪のケアとなることは考えにくいといえます。ですが、定期的に筋力トレーニングに励んでいる人は、たんぱく質を意識したバランスの良い食事をとっていることが多いでしょう。爪を内側からしっかりケアしたいという人は、筋トレ中のおすすめメニューを参考にしてみるのもよいかもしれませんね。

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<参考文献>
■日本皮膚科学会 爪の病気
『Q6 爪の表面が薄くはがれます。』

■日本内科学会雑誌
『鉄代謝と鉄欠乏性貧血—最近の知見—』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に2回以上、筋力トレーニングを行っていない人は、二枚爪になることが多くなりやすくなるリスクが9.32倍になります。

A: 週に2回以上、筋力トレーニングを行っていますか?
B: 二枚爪になることは多いですか?

A
はい いいえ
12.5%
36人
87.5%
252人
B
はい いいえ はい いいえ
0.35%
1人
12.15%
35人
18.4%
53人
69.1%
199人
Z検定値 2.62
オッズ比 9.32
信頼度 99.1%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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