解説

おいしくて毎日でも飲みたい味噌汁ですが、「塩分のとりすぎでむくむのでは?」と気にしている人もいるかもしれません。でも、それは誤解です。味噌汁は実はむくみ対策の味方だったのです。
味噌汁に使われている「味噌」には、身体の外に塩分を出す働きを持つ“カリウム”という大切な栄養素がたくさん含まれているんです。
カリウムは水に溶けやすく、調理のときに失われやすいので、上手にとるには注意が必要。でも、野菜やきのこ、ワカメなどを出汁で煮て味噌汁にすれば、溶けだしたカリウムも一緒に飲むことができて、無駄なくカリウムをとることができるんです。
どうしても塩分が気になる方は、出汁を濃くして味噌の使用量を控えるなどの工夫をして、ぜひむくみ対策に味噌汁をとり入れてみてください。

塩分のとり過ぎによるむくみ対策にはカリウム
味噌は日本独自の調味料で、世界でも日本のミソスープは大人気です。「朝には必ずお味噌汁!」という人もいるくらい、味噌汁はおいしいですよね。でも、味噌は塩分が強い調味料だというイメージから、「お味噌汁は毎日飲んでるけど、塩分のせいでむくみやすいんじゃないかと心配で…」とひそかに気にしている人も多いかも。
そこで、身体の外に塩分を出すという働きをもつ大切なミネラルのひとつ、“カリウム”に注目しましょう。このカリウムは、野菜やフルーツにたくさん含まれていることで知られていますが、実は、味噌やしょう油などの調味料にもたくさん含まれているんです。ということは、味噌汁はむくみ対策になるカリウムもたくさん含まれている食べ物ということになるんです。
厚生労働省によると、どれだけのカリウムを1日にとるのが良いかという目標は、成人男性で1日に2500mg、女性は2000mgとされています。カリウムの多いバナナでこれを全部とると、6~7本食べることに。ちょっと大変ですよね。
では、味噌汁を飲むとどれだけのカリウムをとることができるのでしょうか?
味噌汁に入れる具を工夫すればカリウムを増やすことができるので、野菜やきのこ、ワカメなどを入れましょう。たとえば、豆腐・なめこ・三つ葉が入った味噌汁1杯で、なんとカリウムの1日の目標の1割以上をとることができるんです。
味噌汁を飲むことは、むくみ対策にもなるということがわかりますね!

味噌汁にはカリウムがいっぱいの理由
むくみを気にしている人は「カリウムって、水に溶けやすくて、調理方法を工夫しないといけないんじゃないの?」と思っているかもしれません。
たしかに、カリウムは水に溶けやすいという特徴があります。野菜の皮をむいて、水にさらしたりゆでたりする、といった普通の調理をするだけでどんどん水に溶け出して減ってしまうのです。
そこで味噌汁の出番です。アクの少ない野菜、きのこ、ワカメなどを出汁で煮て味噌汁にすれば溶け出したカリウムも一緒に飲むことができますよね!味噌汁は、大切な栄養素をムダなく上手にとれる食べものなんです。
味噌汁は、塩分が多くてむくみには良くないというイメージがありますが、じつは塩分を身体の外に出すカリウムがたくさん含まれていて、塩分のとりすぎ対策としてはおすすめの調理方法だったんです。
味噌汁を毎日の食習慣として続けることが、むくみ解消につながるなんて意外すぎてびっくりですね!
それでもやっぱり塩分も含まれているから、塩分も気になってしまう!という人は、味噌の使用量を少なめにして出汁を濃くしてみましょう。塩分の入った顆粒出汁を使わないのも一つの方法です。
おいしくて人気で身体にも良い味噌汁。いろいろ工夫して、ぜひ毎日の食習慣にしてくださいね。

<参考文献>
■佐々木敏著 女子栄養大学出版部
『佐々木敏の栄養データはこう読む!』
■佐々木 敏、菱田 明監修 第一出版
『日本人の食事摂取基準〈2015年版〉』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、味噌汁を飲んでいない人は、人よりも体がむくみやすくなるリスクが2.2倍となります。
A: 週に1回以上、味噌汁を飲んでいますか?
B: 人よりも体がむくむほうだと思いますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
72.9%
210人 |
27.1%
78人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
21.18%
61人 |
51.74%
149人 |
12.85%
37人 |
14.24%
41人 |
Z検定値 | 2.93 |
---|---|
オッズ比 | 2.2 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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