解説
東洋医学では、食べ物は「身体を温める食べ物」と「身体を冷やす食べ物」、そしてそのどちらでもない「中間の食べ物」に分けられるといわれています。コーヒーは「身体を冷やす食べ物」に入るとされているのですが、これって本当なのでしょうか?
東洋医学では身体を冷やすとされているコーヒーですが、コーヒーに含まれるカフェインが身体を温めるように働くことがわかっています。カフェインは代謝を活発にして、熱を発生させる働きをしているのです。
それでは、コーヒーのほかの成分がコーヒーを「身体を冷やす食べ物」にしているのでしょうか。それもまた違うのです。イタリアの大学の研究では、コーヒーとしてカフェインを取っても体温が上がることがわかりました。東洋医学の知見とは異なりますが、コーヒーは「身体を温める食べ物」と考えてよさそうですね。
もうひとつ、便秘で身体が冷えがちな人に朗報なのが、コーヒーのマイルドなお通じ促進効果です。これは、コーヒーを飲む人のおよそ3割が感じる効果だそう。お腹が痛くなったりせずに、自然なお通じがあるので、便秘に悩んでいる人は試してみてはいかがでしょうか。
コーヒーは身体を温めて、お腹を優しくすっきりさせてくれる素晴らしい飲み物です。飲むときはブラックで、カフェインを取りすぎないよう、1日にマグカップ2~3杯程度がお勧めです。美味しく飲んで冷え性の改善を目指しましょう。

<参考文献>
■パヴィーア大学医学部
『Coffee induced thermogenesis and skin temperature.』
■旦部幸博著 講談社
『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』
執筆 : 麓加誉子
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
1日に2杯以上のコーヒーを飲んでいない人は、手が冷えやすくなるリスクが2.2倍になります。
A: 1日に2杯以上のコーヒーを飲んでいますか?
B: 手が冷えやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
44.3%
137人 |
55.7%
172人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
18.45%
57人 |
25.89%
80人 |
33.98%
105人 |
21.68%
67人 |
Z検定値 | 3.4 |
---|---|
オッズ比 | 2.2 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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