お腹の調子を良くするカギは頼れる相談相手
リスク
2.22倍

お腹の調子を良くするカギは頼れる相談相手

悩みを人に相談するようにしていない人は、月に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが2.22倍になります。

解説

悩み(ストレス)とお腹の調子はつながっています。ストレスが原因の1つとなって起こる過敏性腸症候群は、下痢や便秘を繰り返すつらい症状を引き起こします。過敏性腸症候群では下痢になりやすい人、便秘になりやすい人の両方のタイプがあり、下痢は男性に多く見られるといわれています。

ストレスを感じたら、対処法を考えてストレスをやわらげる“ストレスコーピング”がとても大切です。これには大きく2つの方法があり、1つはストレス源に働きかける、“問題焦点コーピング”と呼ばれる方法です。仕事の場合、ストレス源になっている業務を減らしたり、違う業務に変えてもらったりする、といった思い切った交渉も含まれます。

もう1つは、ストレッサーから距離を置いてみたり、発想を変えてみたりする方法で、“情動焦点コーピング”と呼ばれます。ストレッサーに対する自分の考え方や感じ方を変えて、状況を変えようとする方法です。

どちらにしても、ストレス源に対して行動に出たり考え方を変えたりするには、少し余裕や力が必要です。そこで大切なのが、信頼できる相談相手です。「業務を変えてください」と交渉を始めるのなら、アプローチの仕方について、意見を聞けるのはとても嬉しいですよね。また、ストレスの原因に対する新たな見方など、本人では気付かない、思ってもみなかった意見や視点を得られるかもしれません。

難しいのはその相談相手を選ぶことかもしれませんね。相談内容を否定したり、無理なアドバイスを押し付けたりする相手に相談すると、かえってストレスになることも考えられるからです。自分の話をゆっくり聞いてくれそうな人、否定せず、いちばん言いたいことは何か?を理解しようとしてくれる人を選びましょう。話したくないときは無理強いせず待ってくれる人も望ましいですね。

もしも相談相手に話すこと自体がストレスと感じるようなら、無理をしないことも大切です。相談相手もそんな経験が乏しくて困っているのかもしれませんし、自身もストレスを抱えていて余裕がないのかもしれません。お互いに無理をせず切り上げて、ほかの相談相手を探すことは悪いことではありません。

相談相手がなかなか上手に見つからないときには、専門機関を頼ることも良い方法です。相談窓口もいろいろとあります。辛いとき、苦しいときに、周りの人に助けを求めるのは悪いことや迷惑なことではありません。ストレスに上手に対処して、心も身体も健康でいられると良いですね。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『ストレスコーピング(すとれすこーぴんぐ)』

■厚生労働省 こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
『ご家族にできること』

■厚生労働省 こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
『専門相談機関・相談窓口』

執筆 : 麓加誉子
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

悩みを人に相談するようにしていない人は、月に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが2.22倍になります。

A: 悩みを人に相談するようにしていますか?
B: 月に1回以上、下痢になりますか?

A
はい いいえ
49.8%
154人
50.2%
155人
B
はい いいえ はい いいえ
16.18%
50人
33.66%
104人
25.89%
80人
24.27%
75人
Z検定値 3.41
オッズ比 2.22
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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