解説

秋冬の季節にほくほく美味しく、保存しやすいかぼちゃ。日本かぼちゃや西洋かぼちゃなど、私たちがいつも食べているかぼちゃには、炭水化物やタンパク質、食物繊維、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウムなどさまざまな栄養素が含まれています。中でも多いのがショ糖やブドウ糖などのでんぷん質を中心とした炭水化物で、かぼちゃの甘味のもとになっています。

脳が必要な栄養素
さて、脳が活動するときには、ブドウ糖とケトン体という栄養素をエネルギーにします。基本的にはブドウ糖が使われ、ブドウ糖が少なくなってくるとケトン体、という順番です。
私たちの脳の大きさは体重の約2%くらいですが、重さでは50分の1ほどの脳が、エネルギーのおよそ2割を使っているんです!ですから、脳のエネルギーのメインになるブドウ糖があまりにも少なくなると、脳の機能が低下し、イライラしたり集中力低下などにつながってしまうのですね。
しかし、ブドウ糖など糖質のとりすぎは血糖値スパイクなど急激な血糖値の上昇を招きやすく、膵臓、肝臓、副腎などにも負担をかけてしまいます。そこで、急激な血糖上昇につながらないためには、ご飯やうどんなどの消化しやすい炭水化物ではなく、ブドウ糖に消化されるまで少し時間がかかるような食品が良いと考えられています。たとえば、食物繊維が多く含まれる野菜が効果的です。

かぼちゃと集中力
かぼちゃには、食物繊維が含まれており、ブドウ糖の急激な吸収を防止できます。また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどのさまざまな抗酸化栄養素が含まれており、脳の働きを円滑にしてくれます。また、カルシウムは脳の記憶や感覚に関与していると考えられていますから、かぼちゃは「脳に優しい食材」といえるかもしれません。
食べ過ぎは糖質のとりすぎにつながりますが、ごはん、麺、パンなどの炭水化物を少し減らして、かぼちゃに置き換えれば食物繊維やビタミンもとれるのでオススメです。かぼちゃで集中力アップも可能かも?!

<参考文献>
■香川芳子著、 監修 女子栄養大学出版部
『食品成分表2015』
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『ブドウ糖』
執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、かぼちゃを食べていない人は、注意力が散漫になりやすくなるリスクが2.99倍になります。
A: 週に1回以上、かぼちゃを食べていますか?
B: 注意力が散漫になりやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
14.6%
45人 |
85.4%
264人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
2.91%
9人 |
11.65%
36人 |
36.57%
113人 |
48.87%
151人 |
Z検定値 | 2.89 |
---|---|
オッズ比 | 2.99 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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