解説

毎年冬に大流行するインフルエンザですが、通常は5〜7日間で熱が下がり元気になるといわれています。
しかし、免疫力が低下していると、インフルエンザウイルスによって傷がついた気管支や肺の粘膜に細菌が感染し、肺炎などの合併症を起こしてしまうことがあります。
肺炎などの合併症を起こすとインフルエンザの治療薬だけでは改善せず、発熱や全身の倦怠感が続き、場合によっては命に関わることもあります。
こんな長引くインフルエンザやインフルエンザに伴う合併症を起こさないためには、なにより感染予防が大切です。インフルエンザが流行する前のワクチン接種や外出のときのマスク着用、帰ってきたら手洗いやうがい、乾燥対策が有効です。
一方で、適度な運動が免疫力を高め、感染症の予防になるといわれています。ウォーキングや早歩きなど、低〜中強度の運動をするとインフルエンザや合併症などの感染症の予防効果が期待できるといわれているので、日常生活に取り入れてみましょう。
ただし、注意しなくてはならないのが息が切れるような激しい運動です。これはかえって感染症リスクが高まることがあるので、インフルエンザ予防のためには軽く息がはずむ程度の早歩きなどにしておきましょう。

<参考文献>
■早稲田大学審査学位論文
『皮膚および粘膜の感染防御機能に対する運動の影響』
■スポーツ科学研究
『42ヶ月間の運動継続による中高年者の唾液分泌型免疫グロブリンAの変化 』
執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
1日に10分以上の早歩きをおこなっていない人は、インフルエンザにかかると長引きやすくなるリスクが4.36倍になります。
A: 1日に10分以上の早歩きをおこないますか?
B: インフルエンザにかかると長引きますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
22.7%
70人 |
77.3%
239人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
0.97%
3人 |
21.68%
67人 |
12.62%
39人 |
64.72%
200人 |
Z検定値 | 2.58 |
---|---|
オッズ比 | 4.36 |
信頼度 | 99.0% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
>数値の見かたはこちら