解説

秋冬の日が暮れるのが早くなる季節に、なんとなく物悲しくなったり寂しい気分になったりすることは、誰にでもあることです。ですが、毎年のように10月ごろから翌年の3月ごろにかけて、気分の落ち込みがひどく、朝起きられない、甘いものがやたらに食べたくなって体重が増える、といった症状で困っているならば、それは“季節性感情障害(SAD)”かもしれません。
“冬季うつ病”ともいわれるSADの原因は、日照時間の短い季節に、日に当たる時間が短くなってしまうことです。ですから、一番の治療法は日差しを浴びることなのです。起床後できるだけ早く外にでたり、カーテンを開けたりして、日の光を浴びましょう。起きるのが遅くなったとしても、自分を責めないで。光療法を続けたところ、1週間程度で起床時間が改善したという例もあるのです。毎朝しっかり日差しを浴びて、スッキリした気持ちで毎日を過ごしましょう!

<参考文献>
■文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会
『第3章 健康なくらしに寄与する光 2 光の治療的応用—光による生体リズム調節—』
■英国王立精神科医学会 日本語版こころの健康ガイド
『季節性感情障害(SAD)』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
起床から2時間以内に、太陽の光を浴びるようにしていない人は、気持ちが落ち込みやすくなるリスクが1.9倍になります。
A: 起床から2時間以内に、太陽の光を浴びるようにしていますか?
B: 人よりも気持ちが落ち込みやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
51.8%
160人 |
48.2%
149人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
22.01%
68人 |
29.77%
92人 |
28.16%
87人 |
20.06%
62人 |
Z検定値 | 2.79 |
---|---|
オッズ比 | 1.9 |
信頼度 | 99.4% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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