解説
ストレスを受けてうつ状態にあるとき、考え方やものの見方が否定的な方向へ傾いてしまいます。自分に価値がないと思ったり、周囲のサポートを受け入れることができなかったり、普段なら気にならないようなことを「とても大変だ」と負担に感じたりしてしまうのです。
こうしたマイナス思考からの解放が大切なのですが、ただ「肯定的にものごとを考えましょう」といっても簡単には切り替えられないですよね。そこで、禅の瞑想を取り入れた“マインドフルネス”という方法があります。ゆったりした姿勢で呼吸しながら、「今ここ」の自分がどんな状態にあるのか見つめます。感情や思考が良いとか悪いとかいった評価はせず、呼吸に集中することで、とらわれていた否定的思考から距離を置くことができるようになっていくのです。

<参考文献>
■日本うつ病学会 気分障害の治療ガイドライン作成委員会
『日本うつ病学会治療ガイドラインⅡ.うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害 2016』
■Doshisha Clinical Psychology:Therapy and Research
『マインドフルネスの促進困難への対応方法とは何か』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
ものごとを肯定的に考えるようにしていない人は、人よりも気持ちが落ち込みやすくなるリスクが4.63倍になります。
A: ものごとを肯定的に考えるようにしていますか?
B: 人よりも気持ちが落ち込むことは多いですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
65.4%
202人 |
34.6%
107人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
23.3%
72人 |
42.07%
130人 |
24.92%
77人 |
9.71%
30人 |
Z検定値 | 6.08 |
---|---|
オッズ比 | 4.63 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
>数値の見かたはこちら