解説
「食事代わりにお菓子」ついやりたくなるのはなぜ?
「朝ごはんを食べる時間がないから、コンビニスイーツを一切れ」「お昼は菓子パンやドーナッツと甘いドリンク」とても忙しいときに、たまにであればこんな食事代わりのお菓子、スナックも仕方ないかもしれません。でも、週に何回もこうした食生活をしていると、あちこちに不調が出てくることがあります。それは、平熱つまり体温が低くなってしまうというリスクです。
お菓子(菓子類)とは、“嗜好食品”とされ栄養をとることよりも、風味や味など人々の好みによって食べることを目的とした食品といえます。
お菓子の特徴として、「美観を備えており嗜好をさそうこと」「嗜好にあった良い風味をもっていること」「喫食に際して調理の必要のない完成加工食品であること」「衛生上の配慮がなされなるべく栄養豊かであること」などが挙げられます。もともときれいで美味しそうに見えて、手軽に食べられるものなのですね。調理の手間が必要だったり、皮や筋、骨があって食べにくかったり、苦味やアク、ぬめりなど万人の好みでない味や食感を含む食事よりも魅力的に見えるのは、ある程度は仕方のないことだといえます。

体温がアップする食事とは
いくらお菓子が美味しくて手軽とはいっても、やはり嗜好品。食事代わりに食べる生活を続けていると、身体の機能を維持する栄養素が足りなくなりがちです。
人の身体では、赤ちゃんのうちは“褐色脂肪細胞”という熱を生み出す特殊な脂肪細胞が、成人になると主に筋肉が熱を生み出す役割を担っています。そのため、筋肉量が少ないと体温が低くなりやすく、筋肉を作る材料となるタンパク質の摂取が不足することは体温低下につながります。平熱が低くなると免疫力低下にもつながりますので、魚や肉などのタンパク質などをしっかりとれる食事が大切なのです。
また、食事のときに体温を上げる食べ物である、ニンジンやゴボウなどの根菜類、かぼちゃ、しょうが、辛い食べ物などを食べると平熱も自然に高くなってきます。
体温を上げるために良い物を食べることに加え、血行を良くするためにストレッチやマッサージ、運動をすることも体温上昇につながります。
厚生労働省と農林水産省のフードガイド「食事バランスガイド」では、菓子は楽しみ程度にして、1日200kcalくらいまでが望ましいとされています。これは、クッキーやビスケットなら4~5枚、ドーナッツならば2分の1個、スナック菓子ならば2分の1袋程度とかなり控えめの量。平熱が低く、ちょっとした発熱で辛い思いをしているならば、お菓子はこの程度までにしておきましょう。

<参考文献>
■杉田浩一他編 医歯薬出版株式会社
『日本食品大事典 第3版』
■農林水産省
『「食事バランスガイド」について』
執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
菓子やスナックを食事の代わりにしている人は、平熱が36度未満になるリスクが2.23倍になります。
A: 菓子やスナックを食事の代わりにしないようにしていますか?
B: 平熱は36度未満ですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
79.6%
246人 |
20.4%
63人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
19.09%
59人 |
60.52%
187人 |
8.41%
26人 |
11.97%
37人 |
Z検定値 | 2.74 |
---|---|
オッズ比 | 2.23 |
信頼度 | 99.3% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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