解説
インスタント食品には、食品添加物としてリンが多く含まれています。リンは、骨を形成したり細胞膜を作るために人の身体にとって必要なミネラルのひとつです。ですが、通常の食事でも、乳製品や魚介類、肉類などにはリンが多く含まれているので、日本人の場合は不足することはあまり考えられません。
さらに、インスタント食品をはじめとする加工食品にはリンが多いため、インスタント食品をよく食べているとリンの過剰につながりやすくなるのです。
このリンは、過剰に摂取すると体内のカルシウムと結合し吸収を阻害するため、体内ではカルシウムが不足していると判断し、自分の骨を溶かしてカルシウムを増やそうとします。そのため、骨がもろくなったり、腱や筋肉にカルシウムが沈着し関節炎を起こしやすくなるのです。
また、腎結石の患者の人は、健康な人に比べてリンの摂取量が多いという報告があります。リンの取りすぎで腎結石の発症リスクが高くなる可能性も指摘されているのです。
膝や腰の関節を痛みから守るため、インスタント食品の食べすぎによるリンの取りすぎには注意しましょう。ただし、起床時の関節痛はリウマチの可能性もあります。何日も痛みが続く場合は、自己判断せずに病院で診てもらいましょう。

<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『リン(りん)』
■香川芳子著、監修 女子栄養大学出版部
『食品成分表2015』
■British Journal of Nutrition
『Urinary phosphorus rather than urinary calcium possibly increases renal stone formation in a sample of Asian Indian, male stone-formers.』
執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
インスタント食品をよく食べている人は、起床時に関節が痛むことが起きやすくなるリスクが2.04倍になります。
A: インスタント食品をあまり食べないようにしていますか?
B: 起床時に関節が痛むことがありますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
53.9%
322人 |
46.1%
275人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
5.53%
33人 |
48.41%
289人 |
8.71%
52人 |
37.35%
223人 |
Z検定値 | 3.02 |
---|---|
オッズ比 | 2.04 |
信頼度 | 99.7% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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