解説
シミやそばかすはなぜできる?
太陽の光を浴びると皮膚が黒くなります。これは、“メラノサイト”という細胞がメラニンという色素を作るからです。メラニンの役割は、紫外線から皮膚を守ること。
正常な皮膚に紫外線が強く長く当たると皮膚に障害をきたし、場合によっては皮膚がんを発生させてしまいます。黒っぽい色をしていて紫外線を吸収しやすいメラニンがあるからこそ、皮膚は守られているのですね。それだけでなく、メラニンは障害を受けた皮膚細胞から生じる活性酸素を減らしたり、害となる金属や薬剤を取り込むなど、皮膚を守る大切な働きをいくつも持っています。
このように皮膚にとっては大切なメラニンですが、黒っぽい色をしているので皮膚の外から透けて見えます。これがシミやそばかすなのです。

どうすればシミやそばかすは減るの?
皮膚は内側で新しい細胞が常に生まれ、だんだんと表面に押し上げられてきて、不要になると垢となって剥がれ落ちます。この一連の皮膚の生まれ変わりを“ターンオーバー”といいます。皮膚の中にメラニンができても、この皮膚のターンオーバーがきちんと働いていれば、いずれメラニンは垢と一緒に剥がれ落ちるのです。しかし、この皮膚のターンオーバーがうまくいかないと、一度作られたメラニンがいつまでも皮膚に残ってしまいます。
つまり、シミやそばかすを減らすには「メラニンが新しく作られないこと」と「皮膚のターンオーバーが正常に働いていること」の2つが大事なのです。

そこで、カレイを食べると?
どうしてカレイを食べるとシミやそばかすができにくくなるのでしょう?シミやそばかすにビタミンCが効果的なのはご存知でしょう。しかしカレイにはビタミンCはわずか2.7㎎(1食分)しか含まれていません。しかしその代りに、大量の“セレン”というミネラルを含んでいます。実はセレンはビタミンCを再生する効果があるのです。
水に溶けやすいビタミンCは、摂取しても尿などで簡単に体外に出てしまいます。しかしセレンを摂取することで、通常よりもビタミンCの効果が高まると考えられます。カレイは、魚類の中でもセレンの量がトップクラス。また、セレンそのものに抗酸化作用があることや、“ナイアシン”や“ビオチン”といった皮膚の炎症を抑える効果のあるビタミンを含んでいることから、カレイは皮膚の障害を防ぎメラニンの産生を抑えるといえるでしょう。
さらに皮膚のターンオーバーを改善するビタミンB2もたくさん含まれているので、シミやそばかすを防ぐことができるのですね!

<参考文献>
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』
執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、カレイを食べていない人は、シミやそばかすができやすくなるリスクが2.82倍になります。
A: 月に1回以上、カレイを食べていますか?
B: シミやそばかすができやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
15.2%
47人 |
84.8%
262人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
2.59%
8人 |
12.62%
39人 |
31.07%
96人 |
53.72%
166人 |
Z検定値 | 2.62 |
---|---|
オッズ比 | 2.82 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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