解説
ご飯に麦を混ぜた麦飯を食べていた江戸時代初期や昭和初期の食事では、現代よりも2倍以上も噛む回数が多かったという調査があります。これが、白いご飯だけの江戸時代後期の食事では、現代よりも噛む回数は多いものの、麦飯の時代よりも少なくなっています。このことから、ご飯(精白米)だけよりも、ほかの穀物が混ざっているほうがよく噛むことになるといえるでしょう。
キビ、アワ、ヒエなどの穀類を白米と一緒に炊いた雑穀米ならば、毎日の食卓にかんたんに取り入れることができます。白米と一緒に手軽に炊飯器で炊いて食べられる市販の製品には、イネ科の雑穀に加えてソバ、ゴマ、アマランサス、キヌア、ダイズ、大麦などを加えたものもあります。
雑穀には、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれています。たとえば、アワにはたんぱく質が、キビにはたんぱく質に加えてビタミンB1、ヒエならばさらにビタミンB2も豊富に含まれています。
そして、雑穀米には栄養に加えて嬉しい効果が。白米よりも噛みごたえがあるので、噛む回数が増え、顔全体や顎周りの筋肉が鍛えられるので、自然と二重あご予防につながります。
また、噛むことにより、満腹中枢が刺激され食べすぎを防止し、血糖値を緩やかに上げて脂肪合成を防ぐなどダイエット効果も期待できます。
ポリフェノールは、抗酸化作用以外に、美肌効果もありますので、最近、肌の調子や顎まわりが気になる方は、ぜひ、いつもの白米に、雑穀をプラスして炊いてみることをおすすめします!

<参考文献>
■農林水産省
『4 大麦・雑穀』
■日本雑穀協会
『雑穀の定義』
■東京都福祉保健局
『各時代の復元食の咀嚼回数と食事時間』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、雑穀米を食べていない人は、二重あごになりやすくなるリスクが3.53倍になります。
A: 月に1回以上、雑穀米を食べていますか?
B: 二重あごですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
16.2%
50人 |
83.8%
259人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
1.62%
5人 |
14.56%
45人 |
23.62%
73人 |
60.19%
186人 |
Z検定値 | 2.71 |
---|---|
オッズ比 | 3.53 |
信頼度 | 99.3% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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