キムチがよい睡眠に導くふたつの理由
リスク
2.0倍

キムチがよい睡眠に導くふたつの理由

週に1回以上、キムチを食べていない人は、充分に睡眠時間をとっても、眠いと感じることがおきやすくなるリスクが2.0倍になります。

解説

カプサイシンと体温調節を利用してぐっすり寝る

日本では成人の5人に1人が睡眠に満足できていないという調査報告があります。布団に入っている時間が長くても、睡眠の質が悪ければ、昼間眠くなったり、ひどい人では朝起きたときから眠い、なんてことになってしまいますね。それを改善できるのがキムチなんです!

人の身体は眠る時間になると体温を下げて寝る準備をします。実際に寝るときには、体温が1℃ほど低下しています。この変化を効果的に使うには、寝る前に体温を上げておく、という方法があります。ぐっすり寝るために寝る前にお風呂入り、いったん身体を温めてから、冷めていく体温変化を利用して眠る、という安眠方法があるのです。

これと同じ原理で、キムチで身体を温めるというやり方があります。キムチには辛み成分であるカプサイシンが含まれています。カプサイシンは体内に入ると副腎のホルモンの1つであるアドレナリンの分泌を促します。アドレナリンは心臓の動きを活発にして全身に回る血液量を増やし、筋肉への血流を増やすことで体温が上昇します。そしてその後、カプサイシンの効果が切れて体温が下がるときに眠るとぐっすりと寝られるのです。

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キムチに含まれる乳酸菌も睡眠を改善する

これだけであれば、ほかにカプサイシンが入った食べ物を摂取したり、お風呂に入れば同じ効果が得られます。ですが、キムチにはもうひとつ良質な睡眠を得られる理由があるのです。それは、“乳酸菌”です。

実は乳酸菌が睡眠を改善してくれることが徐々に判明してきています。実際にネズミに乳酸菌を投与し、睡眠を妨げるようなストレスをかけたところ、乳酸菌を摂取したネズミのほうが睡眠不足になりにくかったことが証明されています。乳酸菌がそのような働きをするのは、腸内環境を改善することでストレスに強くなるからと考えられています。

ひとつでふたつの効果が得られるキムチですが、食べすぎは胃が痛くなったり下痢になったりしてしまいます。食べるならば1日に50gを目安としましょう。また、食べてすぐ寝るのは睡眠の妨げや消化不良になります。寝る3時間前までに食事を済ませるようにしましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省
『平成27年 国民健康・栄養調査結果の概要』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、キムチを食べていない人は、充分に睡眠時間をとっても、眠いと感じることがおきやすくなるリスクが2.0倍になります。

A: 週に1回以上、キムチを食べていますか?
B: 充分に睡眠時間をとっても、眠いと感じることはありますか?

A
はい いいえ
14.1%
84人
85.9%
513人
B
はい いいえ はい いいえ
8.38%
50人
5.7%
34人
64.15%
383人
21.78%
130人
Z検定値 2.88
オッズ比 2.0
信頼度 99.6%
集計数:597人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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