解説
マグロに含まれる成分
マグロは日本人にとって馴染みのある魚で、今まで食べたことがある方がほとんどかもしれません。マグロには、良質なタンパク質や不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、栄養価が高い魚です。
マグロに含まれる不飽和脂肪酸で代表的なものはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。DHAは、血液をさらさらにするだけでなく、脳の細胞の活性化にも効果があるといわれています。EPAには、免疫力の強化や血液中のコレステロール値の改善などの効果が期待されています。
これらの成分は、食事からしかとることができないので、魚は貴重な摂取源といえます。また、マグロの赤身には鉄分が含まれています。鉄は吸収率が悪いミネラルとして知られていますが、植物性食品よりも魚や肉などの動物性食品から摂取した方が吸収されやすいといいます。
マグロに含まれるビタミンでは、ビタミンB6が知られています。ビタミンB6はビタミンB群の一種でピリドキシンともよばれ、体内でのタンパク質の合成や健康な皮膚と粘膜の維持、神経伝達物質の合成などに関わっています。

マグロを美味しく食べて健康な肌を保とう
マグロに含まれるビタミンB6は、水溶性のビタミンなので基本的には食事からとりすぎても身体に悪影響はないといわれています。熱や酸に強いビタミンなので、マグロを加熱して食べても失われることはほとんどありません。
ビタミンB6が足りなくなると、皮膚や舌、神経の炎症やけいれんなどを起こすことがあります。ヒトの場合には、腸内細菌がビタミンB6を産生するとされているため欠乏する可能性は低いのですが、ビタミンB6と対抗する薬を内服している場合や、抗生物質を使用して有用な腸内細菌が死滅している場合には注意が必要です。
肌の調子が悪い、皮脂の分泌が多くて顔がテカる、などで困っている場合にはマグロを食べてビタミンB6を補給してみるとよいかもしれません。
マグロの食べ方ですが、刺身としてそのまま食べてもよいですし、とろろ芋とあえたり、ネギトロとしてご飯のお供にしても美味しいです。刺身の場合には購入したその日に食べるか、翌日以降に食べる場合には醤油や酒につけるか加熱をしましょう。マグロに関しては、冷凍や加熱で栄養的な損失はほとんどないといわれています。脂ののったマグロは、肉と比べても劣らないくらい美味しいのでおススメです。

<参考文献>
■菱田明、佐々木敏監修 第一出版
『日本人の食事摂取基準 2015年版』
■長崎大学公開講座叢書
『3章 ビタミンの効用(II部 健康づくりとくすり)』
■日薬理誌
『サプリメントの臨床医学への応用』
■Journal of rehabilitation and health sciences
『ビタミンの基礎 』
■東京女子医科大学学術リポジトリ
『ビタミンB6軟膏による2〜3の皮膚疾患の治験』
執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、マグロを食べていない人は、人よりも顔がテカりやすくなるリスクが4.63倍になります。
A: 週に1回以上、マグロを食べていますか?
B: 人よりも顔がテカりやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
9.7%
30人 |
90.3%
279人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
1.29%
4人 |
8.41%
26人 |
37.54%
116人 |
52.75%
163人 |
Z検定値 | 3.02 |
---|---|
オッズ比 | 4.63 |
信頼度 | 99.7% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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