解説
ニラに含まれる豊富な栄養
ニラ玉や餃子によくつかわれるニラ、実はシミやそばかすを防いでくれる心強い食材なのです。スーパーでよく見る緑色のニラは“葉ニラ”で、目安としては1束がおよそ100gとなっています。これでエネルギーは21kcal、なのに栄養素がいっぱいなのです。
ニラに多く含まれる栄養素はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、鉄分、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがありますが、特筆すべきはβカロテンです。βカロテンはニンジンやカボチャなどオレンジ色の食材に多いのですが、葉ニラには100gあたりβカロテンが3500μg。カボチャの4000μgに近い量が含まれています。1日の必要量は1800μgなので、葉ニラの2分の1束で1日分がとれるということですね。
では、βカロテンはどのようにしてシミやそばかすを防いでくれるのでしょうか。

シミやそばかすはなぜできる?
ニラのすごさを紹介する前に、シミやそばかすはどうしてできるのか簡単にご説明しましょう。シミやそばかすのもとになるのはメラニンという黒い色素です。メラニンは紫外線を吸収したり、皮膚が傷害を受けたときに発生させる活性酸素を減らして皮膚のダメージを予防してくれています。メラニンはできてしまっても、皮膚の生まれ変わりの時に垢と一緒に体外に排出されます。
つまりメラニンが作られる原因となる皮膚のダメージを減らし、皮膚の生まれ変わりを促せばシミやそばかすが減ることになります。

ニラのβカロテンが皮膚を守る!
βカロテンは体内でビタミンAに変化します。このβカロテンそのものも、変化したビタミンAも、どちらもシミやそばかすを予防してくれます。βカロテンは抗酸化作用を持っていて、皮膚の炎症を抑えることで新しくシミやそばかすができるのを防いでくれます。ビタミンAも抗酸化作用をもち、細胞の酸化や老化を防いでくれます。また、紫外線によるダメージも防いでくれます。さらに新陳代謝を促進して、できてしまったメラニンを排出させる効果もあるのです。
さて、ニラには葉ニラ以外にも種類があります。“黄ニラ”は、緑の葉ニラに光を当てずに育てた黄色のニラです。柔らかい食感が特徴で中華料理の食材としてもおなじみですね。また、初夏に花が咲く前に摘み取った“花ニラ”は、茎の先につぼみがついていて、葉ニラよりも香りが柔らかく食べやすい種類です。
市場に出回っているこうしたニラは、どれでも栄養は一緒なのでしょうか?実はβカロテンが最も多いのは葉ニラです。βカロテンだけで比較すると花ニラは葉ニラの3分の1、黄ニラは60分の1しかありません。同じニラでもこんなに栄養が違うのですね。シミやそばかす予防には葉ニラをとるようにしましょう。

<参考文献>
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』
執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、ニラを食べていない人は、シミやそばかすができやすくなるリスクが3.48倍になります。
A: 週に1回以上、ニラを食べていますか?
B: シミやそばかすができやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
13.6%
42人 |
86.4%
267人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
1.94%
6人 |
11.65%
36人 |
31.72%
98人 |
54.69%
169人 |
Z検定値 | 2.86 |
---|---|
オッズ比 | 3.48 |
信頼度 | 99.5% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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