運動で冷え症にならない身体を作ろう!
リスク
3.26倍

運動で冷え症にならない身体を作ろう!

週に1回以上、汗をかくような運動をしていない人は、冷え性になりやすくなるリスクが3.26倍になります。

解説

冷え症の仕組み

人間の身体は夏でも冬でも、できる限り体温を一定に保とうと調節されています。手足の血管は心臓から離れていて、かつ血管が表面に近い部分を通っているので、もともと冷えやすくなっています。そこで、暑い日には手足の血管を拡げて血流を増やし、手足で血液を冷やして心臓に戻しています。逆に寒いときには手足の血管を縮めて手足に行く血流を減らし、体温が下がらないようにしているのです。

しかし、冷え症の人は夏であっても手足が冷たく感じることもあります。それはなぜでしょうか?
理由はいくつかあります。たとえば自律神経の乱れです。自律神経は手足を動かすときのように自分で意識して調節できる神経ではなく、自動的に身体の調子を整える神経です。

たとえば、呼吸は意識して深呼吸したり、止めたりできますが、心臓の動きは自分の意思で止めたり、脈拍数を増減することはできません。

この自律神経は体温の調節も行っていて、ストレスなどにより自律神経失調状態になると冷え症になる可能性があります。また、手足に血液が届きにくくなる状態、たとえば貧血、低血圧、血管が細いといった状態では冷え症になりやすくなります。

さらに冷え症には筋肉の量が関係しています。寒いと全身がブルブル震えますが、これは筋肉を震わせて熱を作り出しています。しかし筋肉量が少ないと熱を生み出しにくくなり、身体が温まりにくくなるのです。

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運動が冷え症を改善するわけ

冷え症に対し、運動はどのように効果を発揮するのでしょうか。運動、特にジョギングや水泳など同じような動作を繰り返す有酸素運動は呼吸を整える効果があります。自律神経は呼吸も担当しているので、呼吸を整えることは自律神経を整えることにつながります。

また、運動はストレス解消につながるので、ストレスが原因の自律神経失調症を改善させることができます。また、運動を積み重ねると身体の隅々まで酸素を届けるために、心臓が強くなり手足までしっかりと血液を届けやすくなります。食事で鉄分などが十分にとれていれば、血液も濃くなって貧血も改善します。もちろん運動を繰り返せば筋肉量が増えて、冷えにくい身体になります。

汗をかく、ということは必要な時に汗がかけるよう自律神経が整っているということを表しています。激しい運動でなく、ストレッチなどでも時間をかければちゃんと汗は出ます。冷え症改善のため自分の体力に合った長続きする運動を探してみましょう。

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<参考文献>
■第一三共ヘルスケア
『手足の冷え(冷え症)の原因』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、汗をかくような運動をしていない人は、冷え性になりやすくなるリスクが3.26倍になります。

A: 週に1回以上、汗をかくような運動をしますか?
B: 冷え性ですか?

A
はい いいえ
17.5%
54人
82.5%
255人
B
はい いいえ はい いいえ
5.83%
18人
11.65%
36人
51.13%
158人
31.39%
97人
Z検定値 3.86
オッズ比 3.26
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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