笑いでダルさや食欲不振を吹き飛ばそう!
リスク
2.33倍

笑いでダルさや食欲不振を吹き飛ばそう!

よく笑う生活をおくっていない人は、人よりも体のダルさや食欲不振を感じやすくなるリスクが2.33倍になります。

解説

「疲れているからダルい」とは限らない!

「笑い」には、免疫力が高まったり、脳がリラックスしたり、血流が改善したり、自律神経が整うといった、さまざまな健康に関係する効果があることが明らかになっています。『my healthy(マイヘルシー)』のアンケートでは、よく笑うとダルさや食欲不振を感じにくい」という結果がでました。この「感じにくい」というのがポイントです。

学校の体育館でつまらない授業を1時間しか聞いていないのに、お尻が痛くなり疲れを感じたという経験をもつ人も多いと思います。一方で、床に座り込んで大好きなゲームをしていると、気づいたら3時間もたっていたという経験がある人も少なくないと思います。どちらもかたい床の上に座っているという同じような格好をしているのにもかかわらず、疲れへの体感が異なるのは、夢中になったり集中したりすることがあるからです。楽しいことや興味があることをしていると、疲れを感じにくくなるのです。

同じように、本来なら夜通し遊んでいると身体にかなりの疲労がたまるはずですが、楽しい仲間と面白いことをしていれば明け方だって元気に声を張り上げてはしゃぐことができます。その逆はどうでしょう。特にしなければいけないこともなくボーっとしていると、「身体は休んでいるはずなのに疲れを感じてしまう」ということもありますね。身体が休んでいるかどうかにかかわらず、ダルさを感じることはあるのです。

51180

笑いの効果

では、笑いはどのようにしてダルさを感じにくくするのでしょうか。笑うと深呼吸と同じような大きな呼吸をするようになります。大きな呼吸をするようになると、酸素がたくさん取り込まれるようになるため血流がよくなり、身体のすみずみに酸素や栄養がよく行き渡るようになります。また、血流がよくなると、筋肉にたまった疲労物質も回収されて取り除かれやすくなります。疲労物質がたまって疲れている状態でも、笑うことで疲労物質が取り除かれて疲れが解消されるというわけですね。

さらに、笑うと脳内ではエンドルフィンという幸福感を増す神経伝達物質が増えます。このエンドルフィンはモルヒネの数倍の鎮痛効果があり、痛みやダルさを打ち消してくれるのです。

また、笑うことは食欲不振を感じにくくするという効果もあります。笑いが食欲不振を感じにくくする仕組みとはどのようなものなのでしょうか。笑うと、自律神経の1つである副交感神経が優位に働き、心身ともにリラックスモードに切り替わります。副交感神経が優位に働くようになると、胃腸の動きが活発になり、消化液が必要に応じて分泌されるようになります。逆に緊張した状態では交感神経が優位になり、お腹の動きは抑えられて消化液もあまり出ません。これでは「食事をしたい!」とは思えませんね。

ダルいと感じると布団に入って休むことを考えがち。しかし、もしそれでも改善がない場合は、思い切ってお笑いや落語などのビデオを見て笑ってみるのもおすすめですよ。たくさん笑って、疲れや食欲不振を吹き飛ばしましょう!

51181

<参考文献>
■サワイ健康推進課
『“笑い”がもたらす 健康効果』


執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

よく笑う生活をおくっていない人は、人よりも体のダルさや食欲不振を感じやすくなるリスクが2.33倍になります。

A: よく笑う生活をおくっていますか?
B: 人よりも体のダルさや食欲不振を感じていますか?

A
はい いいえ
55.6%
160人
44.4%
128人
B
はい いいえ はい いいえ
10.76%
31人
44.79%
129人
15.97%
46人
28.47%
82人
Z検定値 3.16
オッズ比 2.33
信頼度 99.8%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。